古戀路

□第六章 恋の最後を私は知らない
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『貴方、フィアンは奥手だと思っていましたけれど意外と手が早そうよ。』

嫁の部屋から帰って来るなり爆発発言をする妻の言葉を聞き、飲み干そうとしていたお茶を吹き出してしまいそうになった王様はしばらくの間むせていました。

その背中を擦りながら話しかける王妃様は少し寂しそうにに笑っています。

『これで孫の顔を見る望みができましたね、上の二人は結婚もすることができずに死んでしまったから。』

王様はそこで少し深刻な顔をなさって「そうだな」とだけ返事をしました。

フィアンツェーリ殿下の上には二人の兄王子がいましたが双方共同じ日に暗殺されたと伺いました。

まだ恋人もいなかった二人の死を一番悲しんだのはおそらく母親である王妃様でしょう。

そのため残された弟王子にはスパルタ教育に加え最新の注意を払って育てたようでした。
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