古戀路

□第六章 恋の最後を私は知らない
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『ねぇ孫の名前を候補として考えておきません?』

王様は驚きながら妻の顔を覗きます。明るい口調で話し始めた王妃様の瞳は輝いていました。

『いくらなんでも気が早すぎないか。』

『あら、候補ですもの。それに生まれた瞬間考えるより早めに考えているほうが愛があるじゃない。』

そのように反論した後ブツブツとなにかの呪文のように人の名前を唱えます。よく聞くとそれらはすべて女の子の名前でした。

王妃様の子供はすべて男子だったため、女子の名前を名付けたことがありませんでした。

王は彼女が一人でも女児を欲しがっていたのを知っていたため微笑んだ後で口を開きました。

『もしもあの二人の間に子供が生まれたとしたら、二国を繋ぐ架け橋になるはずだろう。』

『えぇ、だから美しい名前にしなくては。』

きょとんとした瞳で夫を見つめる王妃様、それを確かめるとすぐに口を開きました。

『我が国と隣国が争っている島の名前をその子に付けるのはどうだ?お互いの宝という意味を込めて。』
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