The Kingdom of GodT

□第五章 復讐
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『何でって言われても…私ダンス踊ったことないし、高そうなドレス着るのは嫌だし。』

今着ている普段着用のドレスでさえ嫌なのに、パーティーのドレスなんか着たら気が狂いそうだ。

家に居る時でさえ神経を張り巡らしているのに社交的な場所に行ったら四方八方から攻撃し放題。

そんな鳥籠に自ら入るような事はしたくない。しかも軟弱そうなこの栗毛と。


そのことを察したのか少年は続けた。

『大丈夫です、僕が守りますから。転びそうになったら支えられるし、ちゃんとエスコートしますので安心して下さい。リーベラ様は知らないと思いますけど、学校の体育で戦闘の授業が有って、僕優秀なんですよ?』


知らない筈はない。この国の貴族は徴兵の義務がある。戦争が起こったとき戦いに行かなくてはいけない義務だ。

そのためこの身分制度が長く続いたといわれている。しかし五十年くらい戦争は行われていない。それはある二つの貴族の家の功績だ。

そのご子息は今、全ての貴族の頂点に立っている。
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