The Kingdom of GodU
□第六章 大切な人々
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そっと添え付けてあったフォークを取り、一口サイズに切られたお肉を食べる。連れられて以来始めての食事で体が栄養を求めていたのを始めて知った。
しばらく夢中になって食べ続けていたが、音楽が終わり踊り子が壇上の男に寄り添っているのを見て顔が曇る。
部屋を出る時にメイド達に見せていた顔をしていたが、今回は悲しみが込み上げてくる。彼の腕が女の胸の谷間に埋もれているのを見ると苛立ちが募る。
しばらくの間フォークを止めていたのでルカは心配して私の顔を除き込んできた。そして何も言わずにそっと頭を撫でる。
それは好きな人はけしてしてくれない行為で、優しく羽毛で包まれているようだった。