The Kingdom of GodU
□第七章 歴史から消えたお姫様
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パーティーの翌日、私は部屋から追い出されて自分の部屋を持つことになった。ホールに行く際通った廊下にある部屋だ。
王族候補者はこの辺りに収容されているらしく、ルカの部屋も近場にあった。そのため彼と大半を過ごし、彼から歴史を学んだ。
二国間の歴史の違いがはっきりしているのは戦前と戦中のイリュシェ王室についてだ。イリュシェの歴史にはラベンダー姫が明確に著されていたのだ。
アナトリアの最後の王、通称ケール殿下には姉がいた。敵国の女王になったヒース姫、マリアラム=カンバード=ライディエンだ。
アナトリアでは彼女が敵国に嫁いだことになっているが、数少ない記録に寄るとラベンダー姫が嫁いでいる。
だが彼女は存在しないと解釈されていた。アナトリア王家の人は紫の花の名前で呼ばれるが、王族ならば必ず記録に残る本名や肖像画が残っていないのだ。
それとは反対にイリュシェでは彼女の存在が肯定されている。彼女は急に国から消え、姉が代わりに王座に着いたとも書かれていた。
アナトリアと同じく肖像画がないが、どうやら見つかっていないらしい。