古戀路

□第二章 敵国の王子
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第二章 敵国の王子様

青年フィーと喧嘩した二日後、メーシェルロイド姫と隣国王子の婚礼の日になりました。

隣国と言えども大陸続きではありません、大昔は一つだった大陸がいくつかの島々に割れてしまったからです。

花嫁衣装を着たままの航海は辛かったでしょうが、周りの者には全く苦しそうな顔を見せませんでした。

そう、私の前では思い詰めた顔をなさり、その姿を鏡で見ては盛大なため息を吐いていました。

もちろんそれは航海が辛いからではありません、姫様は恋病にかかっていたのです。独り言も日に日に多くなり、徐々に性格も暗くなってしまいました。

誰も止めて差し上げることができず、二週間の船旅が終わりを告げました。
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