古戀路

□第六章 恋の最後を私は知らない
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第六章 恋の最後を私は知らない

あの日からしばらくした後の夕方、メーシェルロイド様の人生において最悪な分岐点となった事件が起こる少し前のことでした。

『あぁ腰痛い。』

朝っぱらから腰痛に悩まされていた姫は薄紫色の眠気眼でボソッと一言呟きました。

『まぁメーシェル様、年寄りみたいなことおっしゃって。しかも眠そうね。』

艶やかな黒髪を高い位置で二つに結わえた少女は少し口を尖らせながら言いました。その隣でこの国の王妃様がクスッと笑っています。

『王妃様、何がおかしいのです。』

そんな身分が高い方に強気で接することができるのは少女の性格と彼女達が親戚ということがあるのでしょうか。

王妃様は堪えられなくなりそうな笑いをなんとか堪えたのか、無知のセディアお嬢様に向かっておっしゃいました。
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