小さな扉

□Broken Marionette
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私は幼い時から緊張のあまり意思とは逆のことを口にする悪癖がある。

そのため友達はいない、唯一隣りに住んでいる幼馴染みだけが優しく接してくれて私は次第に彼のことが好きになった。

中学生の春の日、彼が口にした言葉は夢にも出てこなかった告白。

普通の子なら喜ぶだろうが私はその場から逃げ出してしまった。そのとき何を言ったのか全く覚えていない。

けれどもそれで良かったのだと思う。その日は年に一度、嘘を付いて良い日だったからだ。

私は壊れたマリオネット、全てがぎこちなくて何一つ真意が伝わらない。溜まっていく苛立ちは次第に自分で自分を傷付けるようになってしまった。

舞台は今年の春で幕を閉じる。やっと私は無数の糸から解き放たれるのだ。


Broken Marionette






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