小さな扉
□神歌の楔
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物心ついた時には冬神殿に預けられていて、絵本代わりに聖書を読んでいるうちに神官になっていた。その生い立ちは四神の信仰を強く植え付けたに違いない。
それ以外は他の子供と変わらず平穏な日々を過ごしていた。俺が生きている間に起った社会的出来事と言えば、姫神の世代交代くらいだろう。そしてそのことが後に大きな転機を起こした。
「フレ〜あそぼ。」
可愛らしい声でぺったりと胴体にしがみつく幼女、柔らかい体はほんのりと温かく、綿毛のようなまつげの下の瞳は冬空のごとく澄み透っている。大人になれば彫刻に間違われそうなほどの美少女に俺は分厚い本を片手に問いた。
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