The Kingdom of GodT
□第五章 復讐
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第五章 復讐
『あ…あのぉリーベラ様。』
若い男の子の声、緊張気味で私に話し掛けてきた。
『なにかしら?』
先ほど知り合った男の子がいきなり声を掛けてきたのだ。確かシュトラウス家の傘下の家であるフォード家のお坊っちゃんだ。
栗毛と濃い茶色の瞳が愛らしい同い年の少年で制服を来ている。水色のジャケットに黄色いタイの制服はある人物を連想させた。
『三週間後の日曜日の夕方は空いていますか?』
『三週間後?夕方?』
全く理解ができない。しかも夕方とは微妙な時間帯だ。
『何かあるの?』
『…そうか。リーベラ様は知りませんよね。』
少年は顔を赤らめながら自前の栗毛に手を置いた。
『その日に学校でダンスパーティーがあるんです。生徒だけじゃなくて余程の事がない限り貴族が全員参加する盛大な。』
『そうなの?じゃあウチも参加すると思うわ。わざわざ予定聞かなくても空いているわよ。』
少年は唖然とした。リーベラの発言にかなり驚いたらしい。
『……ここまで鈍い方だとは思いませんでした。単刀直入に言います。僕はリーベラ様とダンスのペアになりたくて誘っているんです。』