The Kingdom of GodT

□第七章 憂鬱の闇に光を
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第七章 憂鬱の闇に光を

『オーちゃん最近何処にいってるの?』

キスリング家に帰って来て早々投げ掛けられる言葉。母親の言葉だ。

『…学校です。』

『その後よ。昨日なんて「帰らない」って電報があったし、いくら生徒会長でも帰って来れないほど忙しくはないでしょ?』

確かにそうだ。オーウェンは二週間後に行なわれるダンスパーティーの会場になる貴族学校の生徒会長で、パーティーの企画などを行なっているのは代々生徒会長だ。

この時期はとても忙しいのだが、帰れないほどではない。

普通の環境で育てられていたら正直に言うだろが、親ですら口外できない理由があった。それがキスリング家の御曹司である彼の闇の一部だ。

『別に何処に行っていたって良いじゃないですか。たまには自由にしたいです。』
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