小さな扉
□目に景色を焼き付けよう
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暑い夏の正午、俺は生徒で埋め尽されている体育館で前期終業式に参加していた。
体育館にはもちろん冷房という素晴らしい物は存在していない。すべての窓を全開に開けていても全く涼しくなんかなかった。
女子達はカーディガンを脱ぐ、透ける下着に興奮する高校生男子は大勢いた。
特に興奮していたのは俺の前にいる親友で、口に出して感想を述べるから俺は黙らせるのに必死だった。
それでも鑑賞し続ける親友の目は徐々に前にいき、先頭にいる女子を見て嫌そうな顔をした。
『おぃ見ろよ。また芹沢が長袖のワイシャツに長袖のセーター着てるぞ。』