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□バイバイ
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明久から『食料難』とのメールを受け、『明久にたかられ構成員』と化したいつもの面子が吉井家に招集された

秀吉、俺、
そして―――



「…………雄二」

「ぅお!? …なんだ康太かよ、驚かすな」


トイレに入った雄二を外で待ち伏せ、出てきた所に背後から声をかけると雄二らしくもない素っ頓狂な声をあげた。

俺だとわかった途端にいつものカッコつけに戻ったけど。


「…………誰だと思ったんだ?」

「いやその…ハハ…」


何かを誤魔化す渇いた笑いに、男の勘でピンときた。


「…………霧島、翔子?」

「……」


図星か。

「きりしま」の辺りから雄二の顔つきが変わった。

いつものドンと構えたFクラス代表ではなく、無表情ながらも憂いをたっぷり含んだ空気。


俺といる時にしか見せない雄二。


「…………この後、霧島と花火大会行くんだろ」


瞬間、雄二の額に深い皺が刻まれる。


「…そうか、明久から聞いちまったか」


あのバカ、と舌打ちしながらも雄二は申し訳なさそうに瞼を伏せた。

俺が知ったら悲しむと思って隠してたんだろう。

確かに、皆で今日はここに泊まるものだと思い込んでただけにショックは大きかった。



『そんな顔するぐらいなら行かなきゃ良いのに』


その一言が言えない。
行かなきゃ雄二殺されるけど。

でも行ったら行ったで絶対帰してもらえないだろう。
その光景(地獄絵図)が容易に想像できてしまう。



今、俺もきっと雄二と同じようなしかめっ面になっているだろう。 

みっともない。
男の嫉妬なんて醜いだけなのに。

  
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