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□恵みの雨
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明久

俺、明久が好きなんだ



この2呼吸で終わりそうな言葉が 言えなくて




自覚した途端、急に加速した気持ち。
お前の事思って、眠れない夜もあった。

姫路と親しげに話しているのなんて、胸が苦しくて見てられなかった。
だって姫路は……誰だってわかるだろ、明久を好きなんだ。
明久だって、今は憧れとか…高嶺の花とか思っていたって、すぐに…



「おはよう、姫路さん!」

「おはようございます、吉井君♪」

「ムッツリーニも、おはよっ」

「…………おはよう」


「も」ってなんだよバカ……ついでみたいに言うなよ…


「……………バカは……俺だ…」

「ん?ムッツリーニ、何か言った?」


ブンブンと首を振る。
本当は気づいて欲しい、少し大きめの独り言。
お前に少しでも気にかけて欲しいって、俺の精一杯のアピールなんだ。
アピールってのは…気づいてもらって初めて意味があるんだろうけど…
俺のアピールは、相手に届いちゃいけない。


届いたら…終わっちゃうんだ きっと
楽しい毎日、悪巧み、2人一緒に職員室で説教、放課後の買い食い…
嫌だ…そんなの…嫌なんだ…
俺が我慢すれば良いんだ、俺がこの気持ちを殺すだけで、守れる。


明久…好きだよ明久


もしだぞ…もしも…俺が女の子なら…俺の事好きになった?
身体だけは女の子並に小さいから…あと足りないのは…胸…か?
お前おっぱい星人だしな、俺がFカップとかなら…お前、俺に夢中になっちゃうかもな…


「………っ…」




視界がぼやける。
お前を好きになってから…いつもこうだ。
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