bktsBL
□club †F†
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club†F†
にぎやかな歓楽街から少し離れた場所に位置するその店は、選ばれたスタッフ、選ばれた客、そして…
――ガチャ…キィ…
「「「いらっしゃいませ!!」」」
選ばれたホスト達で毎夜大賑わいだった
「明久さーん、4番卓ご指名です!お願いします!」
「はいはーいっ♪ あー久しぶりー!中々来てくれないから寂しかったよぉ〜;」
『あ、アキちゃーん☆ アハハ、何言ってんのー、私先週も来たじゃなーい』
「えーだってさ…毎日会いたいじゃん…?」
『…え……///』
「………なーーーんってね♪ドキドキした?」
『なっ…!!んもーーアキちゃんのバカぁ!』
…
…
「恭二さーん、6番さんご指名です!お願いします!」
「はいよ…っと、…なんだ、お前か。」
『ひどいよ恭二君…今日同伴したかったのにぃ…』
「お前にばっかり構ってられないんだよ、俺は忙しいんでな…」
『他の女の相手で忙しいんでしょ…どうせ…』
「だからお前はバカなんだ…オラ、こっち向け」
『ぁん…何よ……』
「売り上げ上げて、まとまった金作って、お前とそのうち…わかるだろ?」
『恭二君…///』
中でもこの2名、明久と恭二。
『club†F†』開店以来の好成績を残す2TOPだ。客層も太く、一人一人が彼らの虜。
毎月売り上げ金額が僅差の二名だが、その営業スタイルは大きく違っていた。
友達っぽくあっさりとした営業スタイルの明久に対して…
――バシャッ…ガシャーーーン
「うわ!つめ…っ!」
『恭二の…バカッ…!!!』
(…………あぁ…アイツまた水ぶっかけられてる。片付けに行かないとな…)
これも俺の仕事。俺はこいつらと違って接客はしない。注文を聞いたり、掃除をしたり、酒を作ったり、料理を作ったり、スーツや衣装を縫ったり…その他もろもろ。
ウェイター兼雑用。
それが俺の…土屋康太の『club†F†』での仕事だった。