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□シンデレラボーイ※
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「…………ない、ない…!?」
殆ど惰眠を貪っていた授業を終え、休み時間。いつもの様に文月学園男子トイレにてジッパーを下ろし、己の分身を…と、空を切る手。
「…………え…え!ない!…ない!」
小用便器の前で恥じらいも忘れてズボンを膝まで下ろし、自分の股間をまじまじと見る。
…無い、まるで元から付いてなどいなかった様なその有様に絶句している所に更なる追い討ちが…
「ん…?おわあぁぁ!ムッツリーニ!?ななななんという格好を…!!そこまでズボンを下ろさずとも用は足せるであろうに!!」
顔を真っ赤にした秀吉に見つかった。
驚くのも当然だ、便器の前でズボンを下ろすなんて小学生くらいだからな。
ていうか何で秀吉がこの「男子トイレ」にいるんだ…;
秀吉に事の次第を説明すると、なぜか目をキラキラさせて俺を演劇部室に拉致し、あれよあれよという間に可愛らしいセーラー服姿にされてしまった。
「か、完璧じゃ…!!」
「…………男の制服じゃダメなのか?」
「何を言っておる!男の制服はな、男が着るものじゃ!お主の様な…か、可愛らしい女子が着るものではないわい…///」
そのセリフに若干の違和感を覚えるも、ツッコむ間もなく秀吉の口が開く。
「それに…明久が…喜ぶやもしれんぞ?」
う…っ
「まぁムッツリー二が嫌なら無理にとは…」
違うぞ、違う、あいつを喜ばせたいとかじゃ断じて無い。だいたい毎日の様に俺の身体をいじくり回させてやってるのに、今更喜ばせてやる事なんてないだろう…昨日だって…
ただ俺は次の授業に出ないといけないし、このまま逃げててもらちがあかないから…
「…………教室、戻ろう」
明久、どんな顔するかな…