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□club †F† A※
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「かんぱーい♪」
「…………ん」
チン と、いかにも高級そうなシャンパングラスが上品な音をたてる
見たところシャンパンは一般庶民は一生飲む機会の無さそうなソレで、値段は想像するだけで恐ろしい。
このグラスも…某有名メーカーのものだ。間違いない。
そう、俺は今仕事を終えて…その…明久の部屋で二人っきりだ
営業中の…例の件で、絶対零度の笑みを浮かべた明久に俺は引きずられる様にここまで連れてこられた。
「…………お前…いつもこんな…?」
大理石の玄関から度肝を抜かれたが、この酒。
さすが高級ホストクラブの1、ケタが違う。
「んーん、これはねぇ、鉄人のコレクションから拝借してきたんだー♪」
鉄人とはclub†F†で出している酒や食材を管理している、厨房のボス的なオヤジだ。
「…………無断で?」
「…えへへ」
「…………ゲンコツじゃ済まなそう」
今日はオリーブのつまみ食いとはわけが違うからな…1じゃなきゃ即効クビだろう。
「だって今日はさぁ――」
呆れてモノも言えないといった表情の俺に、明久は小首をかしげて悪戯っぽい視線を送る
「特別…でしょ?」
言って、パチッとウインク。
「〜〜〜〜っ////」
くそ、くそ、しっかりしろ俺…
ウインクなんて仕事中は合図みたいなもんじゃないか…なにも特別な意味なんて…
くそ、心臓うるさい…
「…………ば、馬鹿やってると…今に首切られる…!」
「え〜大丈夫だよぉ、鉄人も話せば分かってくれるよぉ」
「…………話す、って…」
にこにこ笑って、対面したソファを離れる明久
「僕と康太は…よい、しょっと…」
俺の座ってる2人がけの、柔らかい革張りソファにボフッと身体を沈め、すっと俺の腰に手を回し、耳元で囁いた
「…今日からコイビト同士になったんだよー…って、さ」