bktsBL
□vanilla
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『62円になりまーす』
チャリンチャリン…
『はい、丁度ですねー、ありがとうございましたー』
ティロリロリローン♪
「あっっ…ちぃな」
「…………(コクコク)」
冷えたコンビニを出た瞬間、むわっと信じられない程の熱気が俺達を襲う。
コンビニ内で引いた汗が毛穴から一気に吹き出すのを感じ、不快感に眉を寄せる俺と康太。
どうしてコンビニに宅配サービスが無いんだ。
俺んちはすぐ側なんだから来てくれても良いはずだろ?
くそ、Tシャツが1枚ダメになりそうだ…
「走るか、康太」
「…………嫌」
「汗なら気にするな、Tシャツなら俺のを貸してやる。それに…」
「…………それに?」
「ベタベタの汗をシャワーでスッキリ洗い流して、扇風機にクーラー。
あとは…わかるな?」
「…………承知した」
俺が次の言葉を発しようと口を開いた時には、素早い康太の姿はもう豆粒のようになっていた
「現金なヤツだぜ…」
まぁ家にはおふくろがいるし、康太なら問題無く入れて貰えるだろう。
―――
ガチャ
「は、はぁ、おふくろ、こ、康太は…」
「あら雄二、土屋君ならもうシャワーから上がったわよ、雄二も入っちゃいなさい」
「なっ…もう上がっただと!?」
予想はしてたが、康太はまるで自分ちのように自然に上がり込んでいた。
ま、そんだけ俺がこの家に連れ込んでるって事なんだがな
しかし早すぎるだろ!欲望に素直なのは何も性欲だけじゃなかったか!
あいつの湯上がり…くそ、一足遅かったな。