連載

□致命的なバグ
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制服が汚れては困るので、机に腰掛け、恥じらいもなく脚を開いた。
そそりたった自分のモノを握った雄二が息を荒げて迫ってくる。

「息…吐いてろよ…」

「…………ぅ…ん」

俺より身長もずっと高くて、リーダーシップもあって、
今、俺の腰をガッシリ
掴んでいる手も、俺と比べるのなんておこがましいぐらい大きくて。

それでもこの瞬間だけは、俺と同い年の…17歳の男なんだって思える。

普段は『性欲に目をギラつかせた雄二』なんて想像もできないから、なんだか可笑し……


「…………い…っ……!!」


どこが17歳だ…
何度も身体を重ねてはいても、最初はこの質量が辛い。

「ッく、あぁ、…っ」

痛い。
痛いには痛い。
でもこの声が純粋に痛いときに出る声じゃない事は自分でもわかる。

「声…っ、抑えろよ…?」

そんな事言って、腰の動きを徐々に早めてる癖に。

「やぁ…っ声…む、りぃ…っ!」

机の木の硬い感触が背中に擦れる。
最初は気になったそれも、それより数倍刺激の強い下半身にかき消され、今では背徳的でむしろ興奮する。

「…はぁ、はぁっ、や、あんっ!」

「相変わらず…たまんねーな…」

信じられない。ついさっきまで痛かったのに、擦れる粘膜がみるみる気持ち良くなってくる。

更に大きくした雄二が、中の1番良い所目掛けて腰を突き上げた。

「ぁ…ぃやぁッ!ひッ!あ、あ、あァ!そこ…っ!」

声なんて、とてもじゃないけど、抑えられない…

「…っ、お前、どーしようもねぇ淫乱だな」

そう言って、雄二は身体を俺の方に倒して俺の唇に乱暴に噛み付いた。

「は…ッ!!……んむ…っ!んん!」

キスと同時に、肌と肌がぶつかり合う音が一層激しくなった。
俺が声出しすぎるから遠慮してたのか…悪い事をしたかもしれない。

「んっ!ん!ん、ぅ!」

声、出せない…

気持ちいいのが外に出てかなくて、身体の中で熱いものが駆け巡る。

雄二は雄二でそれはもう夢中で腰を打ち付けてくるし…

あ…駄目だ、また涙…出てきた…。
息も満足にできないし、快感ばっかりで頭に酸素が回らない。

「…………っ、ぷは、ゆ…じぃ、ゆうじ…っ」

唇から無理矢理逃れると、飲みきれなかった唾液が口の端から溢れる。

これ以上やったら俺、死んじゃうって伝えたくて、目の前の男の名前を必死で呼んだ。


「……っ」


頭が働かない中で、一瞬、雄二の眉間の皺が濃くなった気がした。
 


「…………ふ、ぇ…っ!?」

一瞬動きを止めた雄二が、俯いたまま俺の両足を高々と抱え上げた。
その表情は部屋が暗いせいもあってよく見えない。

「康太、次、俺の名前呼んだら……顔面ぶっかけるぜ?」

「え……なん…………でッ!!ひ、ぁっ!」

両足を雄二の逞しい肩に乗せられて、1番深く繋がる体制で腰を打ちつけられて…

「ひっ!く、ぁ!あああ!やあぁ!」

いつもはもっと優しいのに、急になんだ、セックス中に相手の名前を呼ぶのって、そんなに変なんだろうか。

……。

駄目だ。そんな事もいよいよ考えられなくなってきた。
雄二の動きが射精を促すそれに変わって、良い所を器用に狙い撃ちするもんだから…

「あ、あ!!や、らめ、も、ゆぅ――――」

しまった、名前呼んじゃ駄目なんだった。


「俺なんかじゃなくて…」

机が揺れる程に揺さぶられて、雄二の顔がよく見えない。限界が近いのか、やけに声も低い。


「好きな奴の、名前でも…呼んどけ…」


そう言われた瞬間、廊下の向こう側の声が、一層鮮やかに聞こえた気がした。


「は…っ、ぁ、あ…」


一瞬で体温が上がり、身体から汗が吹き出る。

頭の中に一人の人物が浮かんだ。



「…………あき……ひさ……っ!」


口に出した瞬間、思いっきり突かれて目の前が真っ白になった。

ほぼ同じくして達した雄二の身体が俺の華奢な身体に覆いかぶさり、その日はやけに長い間…予鈴が鳴るまでずっと抱きしめられていた。

   
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