カラ松恋愛事変

□松野家長男 松野おそ松
1ページ/5ページ






喧しい音が鳴り響く室内から、1人の成人男性がスキップをしながら出てくる。
その顔は喜びに満ち溢れ頭の上にはお花畑が舞っていた。

「勝った〜!俺ってやっぱりカリスマレジェンド?人間国宝?!
運も味方につける俺って人類最強じゃね?へへー!」

店の前でほくそ笑み、先ほど換金した札束を財布に戻して、嬉しさでおそ松の体からお花がポンポンと飛ぶ。

「何しよっかな、何買っちゃおっかな。何がいいかなぁ。
何か食べるか、飲むか、うーん、おそ松さん迷っちゃう〜」

にししと喜びを大にして笑うおそ松を道行く人は振り向くが、おそ松はそんなこと気にしてはいなかった。
気にはしていなかったのだが、一頻り喜びを噛み締めてから少し冷静になる。
それは、すれ違う通行人の中にお互いに手をつなぎ自分よりも嬉しそうに幸せそうに笑いあうカップルを見つけたからだ。
そんな彼らを見て、ああ、この2人今日セック⚫︎すんのかなぁ、いーなー。お盛んかぁ…と心の中で呟いた。

俺だって、本気を出せば彼女の一人や二人や三人!
あれ?そんなにいたら俺の体もたなくない?
一週間に1人につき一、二回会うとしても一週間に3回以上しなきゃいけないってことだろ?
しかも二回戦とかしたら…
生気めっちゃ吸い取られるやつじゃん!俺死んじゃうこわーい!!

そんなくだらないことを一頻り考え、くるっと方向転換してレンタルショップに向かう。
その顔は先ほどのにたにたと破顔した表情と打って変わって真顔だ。


大人しく家でシコろう。
シコ松さんになろう。
別に彼女なんていらねーし、
リア充爆発して死ね!
性病怖いから気をつけろよバーカ!

ケッと悪態をついて財布をポケットにしまい歩き始める。
すると方向転換した先にもカップルらしき二人が楽しげに話しながらこちらにやってくる。

あーあ、さっきまであんなに楽しかったのに、テンションだだ下がりだよ。
男の足でもひっかけて転ばせてやろっかなー。

そんな非道なことを考えながらきひひと悪どい顔で笑っていると、あれ?と気付く。
目を凝らしてよく見ると、その男女の片割れは、時雨の姿だったからだ。

俺の弟、カラ松と急接近している女の子、時雨。
とても楽しそうに笑いあっている二人の姿を見つけた途端、おそ松はその二人組の方に駆けて行った。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ