□戦闘後
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突然倒れた狐面の鬼、凛人へひたすらに煉獄は声をかけたが、よくよく見ると寝入っていた。
戦闘後に箱の中で眠る禰豆子と同じ状況が起こっていると考えられた。
唯一違うのは、凛人は太陽の下でも消滅しないこと。
到着した隠は拘束して凛人を運ぼうとしたが、煉獄の目線がひたすらに恐ろしかったため、そのまま担いだ。

凛人は産屋敷に連れて行く。
そう言って煉獄達と袂を別かちしばらくすると、突然凛人が起きた。

「おはよう、下ろしてください。」

背後から声が聞こえて隠は悲鳴を上げて腰を抜かした。
そんな隠を見て、凛人は口元に手を当てて「大丈夫?」と心配して近寄る。

相手は鬼、
喰われるかもしれない。

隠は怯えながら腰の刀を抜き、凛人を囲む。
そんな様をみて、凛人はとても悲しそうに、顔を俯かせた。

「怖がらせてごめんなさい、運んでくれてありがとう。」

そう言うと、凛人は一瞬で姿を消した。隠は辺りを捜索したが、姿を見つけることは叶わなかった。

あの悲しそうな表情が忘れられず、その場の者は何故か罪悪感に苛まれた。
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