□吉原篇 戦闘
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「方向はこちらだ。こちらに逃げろ。」

須磨とまきをが避難誘導をしている時、どこからかよく通った声が聞こえた。
声のした方を見ると、一人の隊士が立っていた。
声のした方向へ吉原の人々は逃げ惑う。
須磨とまきをもあっちに逃げてくださいと誘導する。
そんな中、隊士は須磨達の方へ、自分達の夫である宇髄が戦っている方角へ歩いていく。

「貴方も鬼殺隊の隊士?相手は上弦の鬼なの!あっちで天元様が戦ってるから貴方も加勢に、」

目の前まで来て話しかけた時、隊士のうすらと見えた瞳が赤く光ったように見えて、須磨とまきをは息を飲む。
まさか、鬼…?
だが、月明かりに光ったその瞳は、ひたすらに黒く澄んでいた。
そして瞬きをした一瞬で、その姿は忽然と消えた。

「今のは、一体…。」

まるで神隠しにでもあったような感覚に陥り、須磨とまきをは一瞬呆然とする。
だが、大勢の人がまだ残っており、すぐに気を取り直し避難誘導を再開した。
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