カラ松恋愛事変

□異変
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「カラ松兄さん!カラ松兄さん!」
「どうした十四松。」
「やきうしよー!やきうしよー!」
「あ…今日はちょっと」
「どっかいくの?何するの?やきうするの?」
「野球はしないんだ。また今度しような、十四松。」
「…うん。」

しょんぼりとしてしまった十四松の頭を撫でて、カラ松はまたどこかに出かけて行ってしまった。
最近カラ松はいつも昼頃出かけて夜に帰ってくる。
おそ松やチョロ松のようにパチンコやドルオタ活動などしているわけではない。
いつものようにカラ松ガールズとやらをナンパしに行ってるのかと思うのだが、ため息が増えて、最近なんだか元気がなさそうに見えるカラ松が、
上の兄たちだけでなく、下の弟たちも気になって気になってしょうがなかった。

「ねぇ、絶対おかしいよ、カラ松兄さん。なんか知らない?」

そうトド松は携帯を置いて一松にたずねる。
だが一松は猫に構ってばかりでトド松に目を向けない。

「十四松兄さんは?」

今度は十四松に声をかけるが、十四松は首を傾げて素振りを始めてしまった。

「もう、気になってるの僕だけ?」

うう…と机に腕を組んで顔を伏せるトド松に、十四松が近寄り抱きしめる。

「トド松が悲しいと、俺も悲しいよ。」「じゅ、十四松にいさーん」

そういってトド松は十四松の胸に顔を埋めて、はたから見れば美しい兄弟愛のように見えるが、一松はそれを正気のない目で見る。

「ほっとけばいいんだよ、あんなやつ。」

そういって一松はカラ松のことなんて全く気にしてませんむしろどうでもいいと言ったようにその場に寝転び猫と戯れる。

だがトド松は知っていた。
一松がカラ松のことを気にかけていつも以上にカラ松にちょっかいをかけていることを、
だがいつもより反応が薄いカラ松に内心煮え切らない思いが募っていることを。

「一松兄さんも素直になればいいのに。」
「あ?」
「わー、怖いよ十四松にいさーん」
「え?やきう?やきうしたいの?わー!」

じとりと見つめてくる一松に顔を背けて十四松に抱きつくトド松と、
何故抱きつかれているかよくわからないがなんか楽しいのでトド松に一層抱きつく十四松と、
よく噛み合っていない末の弟たちだが、なんだかんだ三人とも、カラ松のことを気にかけ心配していた。


そんなことは知らず、カラ松は今日も自分のベストプレイスに向かい、まだ現れない彼女の姿を待ちわびながら、一日をそこで過ごすのだった。





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