★ 小説置き場 ☆
□★ 赤、時々緑 ☆
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お前はいつだって、オレを置いてゆく。
〜赤、時々緑〜
「グリーン・・・・・、おなか、へった」
「・・あ、そ・・・・・」
オレの肩に頭をのせているレッドがとぎれとぎれに言う。
今日は久しぶりにマサラに帰ってきたレッドはオレの家でくつろいでいた。
家に帰ればいいものを、着いたとたんオレの部屋に侵入してきた。
窓から。 ある意味犯罪だろー、と思いつつも許してしまう。
なんせ会うのは2年ぶり。
本当は「なんで時々帰ってこなかった!」と殴りたいところだが、いつものレッドの様子にやる気をなくされた。
ふと、レッドのお母さんの顔が浮かび、
「お前、おばさんに顔、見せとけよ」
「あ〜〜・・・・うん、・・もう少ししたらね・・・」
レッドは眠そうな目をゆっくり閉じてため息をつく。
「おなか、へった・・・・・」
レッドはオレの服をひっぱりねだっている。
「だーー、もう分かったよ、何食いたいんだよ?」
「あーー・・・・・カレー食べたい。 一年くらいカレー食べてない」
オレは仕方なく、台所に向かって、棚からレトルトカレーをとりだした。
「なんで帰ってこなかったんだよ」
オレはカレーのパックをお湯にひたして温めながら聞いた。
「ん?・・・・別に理由はない」
レッドは同様することもなく椅子に座ってがたがたと揺らしている。
「みんな心配してたんだぞ?」
「・・・・・」
レッドは前髪を指でいじりながら黙りこんだ。
これは昔からのレッドの癖、 いやなことがあるとそうやって髪をいじる。
「急に帰ってきたと思えばすぐいっちまうし、突然チャンピオンから降りるとかいうし」
「オレは・・・・、・・・」
レッドは急に口を開いた。
オレは黙って次の言葉を待っていたが
「なんでもない・・・・」
と、誤魔化されてしまった。
オレは頭をがしがしとかき、少々いらいらしながら言った。
「なんでもなくないだろ、 いってみろよ。オレになら話せるだろ?」
「グリーンには関係ない」
きっぱりそう言われ、またもや聞く気をなくしてしまった。
オレはしばらく黙っていた。
レッドはスプーンを手で回しながらソファにのり移った。
オレはため息をついて、レッドのそばまでいき、隣に座った。
「おばさん、ずっと心配してたんだ。あの子風邪でもひいてないかしら、無理してないかしら、って。」
オレが真剣にいうとレッドは冷めた表情で
「そんなの余計なおせっかいだよ」
と言った。
オレはかっとなってばんっ、と壁に手をあてた。
「ふざけんなよ、本当にみんな心配してたんだ!それを、・・・それを・・・・」
「・・・・・・」
レッドはやるせない目でオレを見る。