長編[インセインハート]

□第二章後編
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真っ暗な階段は下へ下へと続いている。
壁沿いにポツポツと、小さなランプが設置してあるだけで、他には明かりなんてものはない。
この階段は、地下へと続いている。
階段を下りきった先には、古びた木で出来た扉がある。
外側から、南京錠がかかっている。

扉には

【立入禁止】

とかかれた看板が設置されてあった。


その【立入禁止】とかかれた部屋へと入ると、奥のほうにぽつりと椅子だけが置かれており、そこには薄い灰色の髪をした少年が座っていた。

足枷が嵌められており、ある程度の距離でしか動けないようにしてあった。

そこに、ひとりの若い男性が入ってきた。


「気分はどうですか?」

少年は、ぴくりとも動かない。
ただ、ぼんやりとその男性を見ているだけだった。

「その様子だと、先程よりかは大部落ち着いたようだね。」

「…………」


男性は少年の目の前まで歩み寄ると、少し屈んで少年の顔を覗き込む。
そして、にんまりとほくそ笑みながら少年の髪をわしづかみにして無理矢理上を向かせた。


「僕がくるってことは、どういうことか………分かるよな?なぁ?」


すると、少年の体が微かに淡い紫色に光りだす。





「………くる………」

「ハッキリと言いなさい。」

椅子に頭を叩きつけながら、静かに責め立てる。
その顔は、先程と同じ。
作ったような笑みを浮かべながら、少年を見下ろす。

頭を強く打った事で、少しぐったりとした少年は、ボソボソとゆっくり語りだした。



「もうすぐ…来る。…」


「太陽が……闇を喰らいに…やってくる…」



「闇は…太陽によって…滅ぼされ…」



そして



太陽は


明るく照らしだす。



「闇のない日が訪れる…」


「太陽が…闇の真上に訪れた時……闇は…消え去るだろう。」



「”白”き者が訪れる」

そして、少年の体を取り巻くよいにしていた光りは、ゆっくりと消えていった。

「ふん。相変わらず分かりにくい予言をする。」

くるりと回って、すたすたと古びた扉へと歩いていった。
扉を閉める際に、顔を少年に向けて、一言言い残して去って行った。


「太陽が有る限り、”闇”が消える事など有り得ない。」


しばらくして、薄い灰色をした髪が、徐々に白くなりだした。
”力”を使った事による反動が来たのだ。





「復讐という名の太陽が訪れる。」




カウントは


すでに


始まっている









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