Criminal and real culprit

□episode,3
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「私の名前はアテーレ。んで、こっちのがカイキアス」
「…」

帝が賢明に抑え、ようやく雅が落ち着きを取り戻した時
アテーレと名乗る女によって、2人の名前が判明した。
「本名言う必要はないだろ…」
「まぁ、良いじゃない…貴方達は?」
カイキアスが小さな声で、アテーレに告げる。
その言葉は何を意味するのか…

「ああ。俺の名前は帝…で、こっちが雅だ」
「ふん」
落ち着いたとはいえ、機嫌の悪い雅に変わって自分の名前を告げた後に雅の名前を告げる帝。
その帝の姿は、雅の保護者の様にも見える。


「帝君に雅ちゃんか…よろしくね?」
にこっと微笑みながら、帝に近付き手を差し出す。
「ええ。アテーレさん」
その笑顔に悪い気がしなかったのか、帝は素直に手を取り同じ様に微笑返す。

「あら、アテーレで良いのよ?」
「え…じゃあ、アテーレって呼ばせてもらいます。俺のことも帝で構いませんので」
帝とアテーレが親睦を深めている時、2人と共に居た雅とカイキアスは、何かを考え込んでいた。


「それで、なんだったかしら…?」
「ああ…此処に何故貴方達が居るのか。と聞きたかったんです」
当初の目的を問れれば、思い出したかの様にちらっと雅を見るが考えているのを察し変わりに質問する。
それを聞いたカイキアスが、ぴくっと反応し口を挟む。
「どーゆー意味だ?俺達も逆に思ってる。何故お前等が此処に居る?」
「は?何故って…;」
理由を聞かれれば、困った様に笑うしか出来ない帝。





「くす…」
その会話を聞いてか否か、今まで一言も発していなかった青色の髪をした男が馬鹿にする様に笑った。





10/4/20

 

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