烏森学園B
□両想いになるまで…。
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良守に“諦めないから”と言われ、数日が経った。
時音は自分の気持ちが分からなかった。
良守が人気になり、自分以外に笑いかけているのが悔しい。
好きか嫌いか聞かれたら好きだ。
けれど‥‥それが“弟”なのか“男の子”として見ているのか分からなかった。
ただ分かるのは最近は良守のことを考え、妙に意識してしまう。
ほかの男子に好きだと言われてもその後に意識なんてしないが、やはり幼馴染みとは特別なのだろう。
『あっ、時音!』
『…待ってたの?』
『途中まで一緒に行こうよ』
『‥‥いいけど』
にっこりと良守は笑顔を見せた。
暖かな気持ちにはなるが、クラスの女子が言うようなドキッとはしない。
『時音、手つないでいい?』
『い、嫌よ!』
『小さい頃は手つないでたじゃん』
『それとは別よ!!』
『‥‥俺を意識してんの?』
微かに時音が反応したことに良守は気づく。