烏森学園B
□両想いになるまで…。
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ニヤリと笑い、良守は強引に時音の手を握った。
『なっ!?
ちょ、嫌だってば!!
離しなさいよ!』
『別に構わないね。
おまえを振り向かすには強引なくらいがいいんだよ。みんながいる場所では離してやるから』
『‥‥馬鹿』
『馬鹿だろうが、嫌いだろうが構わないよ。俺は好きだから』
『‥‥っ‥』
頬を赤らめて時音はうつむいて歩く。
これでは事情を知らない人から見れば“恋人”のようだ。
『俺が嫌いなら振り払えばいいさ。
それが出来ないなら我慢しろよ』
『…意地悪』
『俺を振った罰だよ。振り向かせる為なら意地悪にもなる』
どう答えていいか分からずに時音は黙り込んでしまう。
『‥‥ここからは別々だな。残念だけど。
じゃ、またな!』
良守はあっさりと手を離し、走り去る。
その後ろ姿を見つめながらまだ残っている良守の温もりに熱くなるのを感じた。