烏森学園B
□烏森の守護者
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対策を考えているとガラスの割れる音が静かな体育館に響いた。
ザワつく体育館に更には体育館の扉が蹴り倒され、強引に抉じ開けられた。
「な、なに!?」
「気持ち悪い!!」
「化け物だ!」
邪気が強いせいか、霊感さえない普通の人にでも見えていた。
『…っ!?』
良守は目を見開き、妖を凝視する。
生徒達が悲鳴を上げ、パニック状態ながらにも教師達の誘導で妖から離れた場所に移動する。
「早くこっちに!
うっわ!!ι」
「「危ない!」」
「きゃあ!」
動けない女子生徒を助けようとした利守が妖に捕まれそうになった。
その女子生徒はほかの生徒に助けられていた。
「墨村!」
「あ、墨村くんっ」
「「きゃあっ!!」」
やられると思い、悲鳴が上がる。
『…ふぅ〜。
危機一髪だな。
利守、怪我ないか?』
恐る恐る目を開くとそこには兄の背が見えた。