烏森学園B
□二面性を持つ恋人
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屋上の扉が勢いよく開いた。
「「雪村さん!!」」
入って来た男子生徒達はその光景に唖然としてそのまま固まってしまった。
(まぁ、それが普通の反応だろうな)
少しだけ男子生徒達を良守は哀れに思う。
『今のうちに行くぞ。授業もあるから』
『あ、うん』
良守に手をひかれて屋上を出て、時音は少し幸せだと感じた。
それから当然ながらすぐに学園中に噂は広がった。
「あのマドンナが彼氏に甘えてたんだって!!!」
「嘘ぉ〜!」
「どんな風に変わるのかな(笑)」
「やっぱ、マドンナも女の子なんだね」
女子達は驚きはあるが、男子ほど憧れは抱いてなかったのでショックはない。
「マドンナが‥‥」
「しかも、相手は墨村なら勝ち目なし…」
「喧嘩強いし、あの不良グループにも一人で勝ったんだろ?」
「あぁ、マドンナが絡まれたのを無傷で助けたらしいぞ」
「墨村を悪く言ったりしたら女子は怖いし、マドンナはベタ惚れだし!!」
何度ため息をついたか分からないほど男子生徒達はショックが大きいようだ。