烏森学園B
□二面性を持つ恋人
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痛い程の視線を感じながら良守は時音を教室まで送って行く。
みんなが“幼馴染み”と思っていた頃も変わらずにしていたことである。
もちろん幼馴染みの関係には変わらないが、2人の関係は“幼馴染みの恋人”だったのだ。
『時音、じゃあな』
『待って…!』
『どうした?』
きゅっと良守の制服の袖を握り、時音は上目遣いで見つめる。
これは時音がキスして欲しい時に甘えている仕草だと良守は知ってる。
「やっぱ、あの噂…真実じゃない?」
「うん‥‥。
甘えてる…よね?」
「なんか‥‥妙に可愛いね」
「あ〜、分かる!」
ヒソヒソとクラスメイトは話す。
『クスッ‥甘えてんぼ。可愛いなぁ』
時音の目元にキスし、唇にも触れるだけのキスをした。
『…またな』
『‥‥ぅん』
嬉しそうに幸せそうに時音は微笑む。