烏森学園B
□大切な弟
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数日前に父が言ってたことを思い出した。
“不審者”
何かあれば、父に良守のいる学園に行くように言われていたのだろう。
この学園は人通りもあり、目立つ行為は出来ないはずだ。
「良兄…?」
『いや、何でもないよ。見ただけか?』
「あ、うん…」
『それならいい。
ほら、帰ろうか』
「うん」
良守は利守の手をひいて歩き出す。
「墨村くんの弟だったんだね〜」
「つーか、なんか‥‥いいかも///」
「優しい表情してたし。素敵かも!」
中には微かに頬を赤らめる者もいて女子達が騒いでいた。
「――墨村には小学生のブラコンの弟がいると」
「…ブラコンなのか?ι」
「ブラコンだろう、きっと」
(‥‥勝手に決めつけていいのか?ι)
田端に市ヶ谷は呆れていた。