俺と君と私と

□05.マネージャーのほうが向いてるかもしれないな
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「まずいですね…」

「そうじゃの。どうするかのぅ?」

「どうしたんだ?」

大分学校生活に慣れてきたある日、部活に行くといつもより空気というか雰囲気が暗くて…

私は近くで話していた柳生と仁王に聞いてみた。




「いえ、実はですね…マネージャーが全員休みなんですよ」

「えっ?マネージャーが全員休み?そんなことあるのか?」

私はその告げられた事実にが信じられずに言う。

「あぁ。転校生の苗字は知らんの。
うちのテニス部は男子マネージャーしか募集してないじゃき…、数が少ないんじゃ。んで」

「何故か皆さん腹痛でお休みなわけなんです」

「なんか、うん。腹痛か…」

苦笑いをする。

なんか、としか言いようがない。

確か腹痛といえば、前に銀…華っていい学校で同じことがなかったっけ?

「笑えるけど、笑いごとじゃないんだ」

いつのまにか横に幸村君と赤也。

うわ、いきなり現れないでよ!特に幸村君とか幸村君とか幸村君とか…(ry

恐ろしすぎるよ!

「なにが恐ろしいのかな?」

笑顔で幸村君は私に詰め寄った。

心よむな!

「まあ、話をもとに戻すけど、俺達立海テニス部はどの部よりも練習はハード」

「だから、マネージャーの存在が必要不可欠なんっすよ」

なんか息合ってるな、この二人…って
いけないいけない。

関係ないこと考えてると、幸村君が心読んで…

「なに関係ないこと考えてるのかな?」

そう。

幸村君が今私に言ったみたいなことを言うんだよ。

いや、もう言ったあとか。

「今回は各自水分補給しかないかな…。
平部員にやらせようにも、なれていないだろうし…」

幸村君がはぁ、と深い溜め息をついた。


……

「マネージャー、俺やろうか?」

俺はみんなに言った。

















「飲み物出来たよ、みんな!」

私は大量のコップに、それぞれ飲み物をいれ、みんなに言った。

「うわ、名前が天使に見えるぜ!」

ブン太が私を拝む。

「ははっ。そんなことないよ」

でも嬉しくて、笑顔で言う。

「本当にすまないね」

「苗字は前にマネージャーでもやっていたのか?手際がいいな」

幸村君と真田が飲み物を飲みながら私に言った。

「大丈夫だ、幸村君。
でも真田。俺、マネージャーはやったことないな」

顔に人指し指をあて、うーんと呟きながら言った。

「なんと!」

真田は相当驚いたのか、目をカッと見開いて言った。

そこに、「弦一郎、五月蝿いよ」と言う幸村君。

なんかうける。

「ただ、こういう流れ作業とか得意なんだ」

私が言うと、幸村君はへーと呟いて一言。

「苗字さんはマネージャーのほうが向いてるかもしれないな」

え。

酷くね!?

「冗談だよ(笑)」

語尾の(笑)が心にささる今日この頃。




「あ、ブン太!」

飲み物を飲んでいたブン太に声をかけた。

「ん、なに?」

クルンとブン太がこっちを向いた。

「すごい汗だよ。ふいてあげる」

そう言って、私は持っていたタオルで彼の汗をふく。

ブン太の汗は、髪を濡らすぐらいだった。

でも不思議とその汗は嫌な感じはしない。

最初は放心していたが、だんだんと自分を取り戻したようで。

「……………//////////」

そして…、何故かそっぽ向いてしまいました。

「?。そっち向かれるとふけない」

「あああ汗ぐらい、自分でふける!」

あぁ、思春期か。可愛いな。

とおばさんの様な心で、私はブン太を見て笑うのだった。






「今日は助かった。礼を言う」

部活後。

真田の一言の後、みんなに頭を下げられた。

うわぁ。こういうの、慣れてないから気恥ずかしい…。

「べ、別に部のために当たり前のことをしただけ!」

あ…。

この言葉…、まるで…

「ツンデレ、だな」

柳…。柳からその単語かでてくるとは思ってなかったよ。

確かに自分でも、ツンデレみたいだとは思ったけどさ…。

部のみんなは大笑いしてるし…。


「またよろしくね」

幸村君のその言葉に、上手く頭が働かなかった私は…

「もちろんだろぃ!」

「あー、俺の口調真似んな!」

ブン太みたいに、返事していたのでした。

少女はテニスコートへ走った



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