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□花月 蘭様から
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『水扉』


水面に浮かぶ鏡を
ほら見つめてごらん
誰が写っているのだろう
斑に色を塗った道化たちが
こちらを見て笑う


涙で出来た雫を
1つ1つ繋げて君の首に飾った
あの首飾りが水の中で
妖しく光を放つ
手を伸ばして掴み取った


青く揺れる波の下で
砕け散った夢が漂う
これは過ちなのか
悩ましく笑うあの横顔は
自分だった



遠い国の絵本の最後のページは未だ見付からず結末は知らない
悪魔さえも恐れ逃げていく


心の声を求めて
古い傷痕から血が溢れだした


砕けた夢を
欠片でも手に入れたかった
水に沈む扉を開けて
進む自分を
きっと皆嘲笑うだろう


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