mind

□第二章
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ここは嘗(カツ)て約一億六十万人ものいた国…


今では、その面影すらない。


大震災が起きて二年。

俺は、自分以外の生きた人間に会ったことがない。


「あ、コンビニだ……」

俺はコンビニを見つけて中へ入る。

腐っていない食品を探す。

そして、持っている黄色袋の中に腐っていない食品とこれから使えそうなものを沢山入れて店を出る。


「La…LaLaLa…La…」


どこからか、女の子の歌声が聞こえる…



…その歌声はとても
優しくて少し悲しそう…



俺はすぐさまその歌声が聞こえる場所へ向かう。

女の子は枯れた大樹の目の前で歌っていた。

短くて綺麗な金色の髪。
青空のような綺麗な水色の瞳。

女の子は緑色の小さな袋を持っている。

 
「あんたも生存者かぁ!?」


俺は女の子に緊張気味に聞く。

すると女の子はこちらを向き、微笑む。


か、かわいい!!


俺は胸が高鳴りながらも女の子に近付く。


「俺、石竹 勇斗(セキチク ユウト)って言うんだ…君の名前は?」


俺はそう聞きながら手を差し出す。


「私の名前…Asi02Misa(エー エス アイ ゼロ ツー エム アイ エス)だよ!ミサって呼んでね!!」


女の子…ミサはそう言って俺の手を握る。


「…………え?……今、何て言った?」



俺はミサの名前を呆然としながら聞き返す。


「だ・か・ら・Asi02Misa…アンドロイドだよ!!」


ミサは笑顔で言う。

俺はミサの手を払い、後退りする。


「どうしたの……?」


 
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