詩
□*誰も…
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ズル・・・ズル・・・ズル・・・
とある町で一人の女の子が泣きながら歩いている。
女の子は片手に赤と黒で汚れたウサギのぬいぐるみの片耳を持って
ズルズルと引きずっていた。
女の子の白かったワンピースは黒く汚れていた。
女の子は裸足で道の真ん中を歩く。
「ママ・・・ママ・・・ママ・・・」
女の子がどんなに泣き叫んでも誰も振り向かない。
「パパ・・・パパ・・・」
どんなに叫んでも誰も女の子に手をさしださない
誰も声をかけない
たとえ
足が
手が
頭が
女の子の足にあったたとしても
誰も 女の子に声をかけることはない。
「オネエチャン・・・・・・」
どんなに泣き叫んでも誰も女の子に何かしようとしない
いや、 できない
なぜならば
女の子以外
誰も生きていないからだ