Hope
□第二章
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「どう言うことですか!?訳を言って下さい」
突然のおやっさんの言葉に驚くレイン。
「俺も知りたーい。別に今までのチームで問題なかったじゃーん」
ナナシは後頭部辺りで手を組む。
「内緒。決定したことだから取り敢(ア)えず従え」
おやっさんはそう言うと円の中に十字架があり、十字架の真ん中に宝石が嵌め込まれたバッチをレイン達に一つずつ投げ渡す。
レイン、カガミ、ナナシ、詩乃の四人は黒い宝石。
オッサンは緑。
アルストロは赤。
「レイン、カガミ、ナナシ、詩乃、光姫の五人は戦闘要員。オッサンはいつも通り調査要員でリーダーは、アルストロ、お前だ」
おやっさんは何故か楽し気に言った。
アルストロは無言でバッチを仕舞う。
「ナスタチューム君がリーダー!?」
アルストロがリーダーと言うことに驚くレイン。
「何か文句あるのか、レイン」
おやっさんは首を傾げる。
「だって、彼はまだ十二歳ですよ!!リーダーはある意味安全かもしれませんが、戦闘する際は常に居なければいけない……危険です!!」
レインはそう説得しようとするが、おやっさんは耳を手で塞ぐ。
クソジジィ
とレインはそれを見て思い、心の中で舌打ちする。
その心をアルストロに視られていると知らずに……
「レイン、諦めろ。お前が何を言ってもこいつ(おやっさん)は変更しない」
レインの肩に手を置いてオッサンは溜め息混じりに言う。
レインも溜め息を吐く。
「わかりました。これからよろしくお願い致しますね。ナスタチューム君」
レインはアルストロに笑顔で手を差し伸べる。
しかし、アルストロはそれを無視した。