短編
□イラツク!!
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最近イライラすることがある。
別に煙草がきれたとかビールがなくなったとかそんなんじゃない。
俺のイライラの原因は…
「リンドウさぁぁあん!!おはようございますっ!!今日も可憐な華のように美しいですね!」
………こいつだ。
最近入ってきたやつで名前はあまに。
結構強い野郎で頼もしいやつだ。
「あれ、リンドウさんどうしたんですか?いつまでもボーっと立ってると抱き着いちゃいますよ?」
……どうしてこんな風になっちまったんだ。
初めてのミッションのときはどうしていいかわからなくて俺の後ろについて来て可愛いやつだなと思ってたのに……。
俺の指導が悪かったのか……。
「今日はいっしょに行くミッションですね。リンドウさんは俺が死んでも守りますんで安心してください!」
……でも最近こいつが何言っても平気になってきた。
慣れた、ということだろうか。
むしろ守りますとか言ってくれると嬉しい……別にこいつが好きとかじゃなくて守りますだなんて言われると誰だって嬉しいだろ。
だけどやっぱりイライラする。
「ほら、早く行きますよ!抱き着いついても動かないならキスしちゃっていいんですか?」
……あぁ、そうか。
「んー……ブフッ」
「馬鹿なこと言ってないで早く行くぞ」
「えぇー少しくらいいいじゃないですか!あ、ちょっと、置いてかないでぇ!!」
イラツクのはこいつの言動と行動に慣れて嫌だと言うより嬉しいと思ってしまう自分にイラツいてたのか。
「はぁ…もう少しでキスできたのになぁ」
「…お前が生きて帰って来たらしてやってもいいぞー」
「え、まじすかっ!!?」
「だから死んでもとか言うなよ。まぁ、冗談だけど「うおぉぉぉおリンドウさんとのキスのために頑張るぞぉぉお!!!」
「……死なないように頑張れよ」
ほら、やっぱりこいつを受け入れてしまう自分にイラツいてしまうんだ。
「…そんなに全力で走ると体力持たないぞ、と」
勝手に走って行ってしまった馬鹿についてくように俺も走り出した。