NOVEL
□1st.初ミッション
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フローリングが敷き詰められ部屋の中央、一段上がった所に
謎の黒い玉。
「ここって長沼じゃね?ガンプラ工場見えるし」
「グランシップとドコモタワー近っ!長沼大橋見えてるし」
口々に聞こえる声に1人の少女ー日向奈癒は耳を傾けた。
確かにこの部屋窓からはガンプラ工場ことBANDAIの会社、携帯の電波を左右するドコモタワー、そして隣にグランシップ。
日向は窓にそっと歩み寄る。
窓に触れようとした。
……あれ…?
本当だ……
本当に本当だ…
窓にも鍵にも触れられない…
奈癒は心の中で呟く。
そして視線を移した。
その先には…
黒い玉…
「みんな聞いてくれ!!」
1人の男が声をあげた。
長身でモデルを思わせる出で立ちに軽く遊ばれた茶髪ヘア。そして黒い全身タイツのようなものを着用している。
「今からミッションが始まる、初めての奴は
「てめぇうぜぇんだけど!!」
「失せろ糞が!!!」
先程まで窓を見ながら場所を特定していた不良2人が男の言葉を切った。
「黒川君、やっぱり駄目だよ…私達じゃ…神さんじゃないと…」
男ー黒川に同じく黒い全身タイツのようなものを着た長髪の少女が言った。
「神さんはもういない!俺が…俺達が…俺達がやらなきゃいけないんだ…!」
「名取もう帰るべ、こいつら頭可笑しいわ」
「俺も大黒の意見に賛成〜」
不良2人ー名取と大黒はわざとらしく黒川に言った。
「…始まるぞ」
またまた黒い全身タイツのようなものを着用し眼鏡をしている少年が言った。