NOVEL
□1st.デストラクション
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朝、亜癒は早く学校に行ったようでいなかった。
奈癒は1人、朝食をとっていると不意にテレビが鳴った。
〈浜松市志都呂イオンモール浜松志都呂店の一部が崩壊しているのを出勤した警備員が発見しました。〉
奈癒は飲んでいた牛乳を盛大に吹いた。
「……!!…ゲホッゲホッ!!」
慌ててタオルで口を拭いた。
「……え………!?」
浜松…
ショッピングセンター…
「イオンモールってことはJUSCOでもあるから…」
奈癒達がいた場所だった。
〈詳しい原因は不明ですが警察が今後現場検証を…〉
「お兄さん欠席?」
「…亜癒ですか?」
休み時間そうそう兄、亜癒のクラスメイトに呼び出された。
「そう、亜癒。亜癒さ、今日来てないんだけど」
「…朝から見てませんけど…早くに学校行ったって思ってたんですが…」
「え!?……そっか…ありがと…」
奈癒は早足でその場を去った。
亜癒のクラスメイトは奈癒が去った後に小さく呟いた。
「…顔は似てるんだな」
「亜癒君今日休みなんだって」
「え!?嘘!亜癒君が!?」
「亜癒君大丈夫かな」
「妹は来てるんだね」
「亜癒君が来てくれればいいのに」
口々に聞こえる声は奈癒の強がりによって塞がれなかった。