NOVEL2
□2nd.いじめられっ子の逆襲
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「野次馬は帰ってくれ!!生徒さんは学生証見せてから入ってね」
亜癒が朝、普通に登校した。
でも、いつもの学校では無い。
数台のパトカー、外から見えるグランドの一部に被さる青いシート
「一体…何が…」
「あ!!亜癒君だ!おはよ♪」
声をかけてきたのは制服を着崩し
濃い化粧の女。
「な…中河さんか…おはよう…」
「もうやだ!雅美って呼んでよ♪ま・さ・み♪」
「は…ははは」
亜癒は苦笑いで返す。
「すごいよね、警察来ちゃって…
ま、当たり前だけどね」
「何かあったのか?」
「自殺
7組の中曽根羽生君」
「中曽根羽生…もしかして…吹奏楽の人?奈癒見に行った時に見たかもしれない」
「そうだよ、中曽根は吹奏楽部だったよ。でもま、やめたらしいけど」
中河は大きく溜め息をして亜癒の腕を強引に引っ張った。
「自殺しちゃったんだからもう中曽根はいないんだよ。それでいいじゃん、どうせいじめられてたんだし」
亜癒はドキッとした。
いじめという言葉が酷く響く。
「いじめ…」
「そうそう♪アイツさ、マザコンだし名前キモいし、のり悪いからずっと前からいじめられてた♪まじザマァだよね♪」