*Short

□織り姫と彦星
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7月7日
世間では織り姫と彦星が年に一度会うと言う言い伝えがある
別名、七夕と言う日



10月10日
私が織り姫様の場合の七夕
一年に一度だけ最愛の人に会う日










なまえ『久々の歌舞伎町…変わってないね』





私が立ってるのは人が賑わう歌舞伎町
毎年大好きな人の誕生日には、先輩に無理言って1年に1度だけ休みを貰っている

それが今日―――





なまえ『えーっと万事屋はー…確か、こっち?』


辺りを見回し道を思い出そうとする
やっぱり1年に1回しか行かない場所なんて、中々覚えられないもので、
道中、色んな人に道を聞きながら私は万事屋へと足を運んだ





トントントントン――


坂田「お、やっと来た…」


ガラララ――


なまえ『ひさsむぎっ』

坂田「なまえ!」





万事屋に無事辿り着き、
壁をノックして直ぐに開かれた扉

挨拶も間々ならないうちに私は既に腕の中、
ふわっと鼻に香るのは私の大好きな人の匂い、
甘い甘い、そんな匂い





なまえ『銀ちゃん…苦しいよ』

坂田「あ、あーっとゴメンゴメン!』





私が苦しそうにそう言えば銀ちゃんは慌てた様子で直ぐに離れてくれた
そんな素直で優しい所を見るのも久しぶりで、
去年と何も変わらない銀ちゃんの姿に安心した





なまえ『銀ちゃん、久々なんだし挨拶くらい…』

坂田「ばーか、久々だからこそのスキンシップだろーが」

なまえ『もー…』

坂田「それにしても本当変わってないな、お前」

なまえ『それを言うなら銀ちゃんも、それに私は先輩に鍛えてもらって逞しくなったんだよ?銀ちゃん程じゃないけどね』

坂田「銀さんも1年間で逞しくなりましたー。少なく共お前を守れるぐらいにな」

なまえ『今までは守れなかったんだー』

坂田「あ、いや、そういう意味じゃなくて!守れてた!!守れてたから!!」





ちょっとからかうと銀ちゃんは直ぐにうろたえる
良い歳した大人なのにまだまだ可愛い所があるからキュンとするんだよね

何だか面白くなって思わずくすっと笑うと、
それに気づいた銀ちゃんもいつもみたいに歯を見せながらにかっと笑った





なまえ『HAPPY BIRTHDAY、銀ちゃん』

坂田「おう、誕生日プレゼントは?」





銀ちゃんの視線は何も持っていない私の手へと注がれる
そんな銀ちゃんにくすっと笑ってから、
精一杯背伸びをして、銀ちゃんの頬に軽いキスを落とした





なまえ『今日1日の時間、で良い?』

坂田「最高のプレゼントだよ」





彼はそう言って、にやりと笑みを浮かべた



これから先はご想像にお任せ
一年に一度の私達の七夕、
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