呆れるほどの愛を、キミに
□もはやストーカー
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「俺に言うてもなぁ……こういうのは本人の問題やから本人に言わんと」
「いや、昨日言ったんだよね」
財前の裏切り行為によって白石が1週間、図書委員の手伝いをしている。
その1週間の2日目のことだ。
そのとき彼はカメラを首からぶら下げていた。だが、カメラを持っていただけで犯人にするのはいけないことである。
でも、遠くからでもバッチリ撮れる専用レンズをつけたまま、首からぶら下げているので疑うしかないじゃん。
しかも3日目もそのカメラ首から下げていたんだよ。もう絶対犯人でしょ。
「何て言うたん?」
角度的に撮られそうだったので、小石川を障害物にするよう身体の位置を変えながら言った。
「『ストーカーみたいな行為、止めてください』って」
「そんなんであいつは止めへんわな」
「だよね」
思わずため息が出る。人に好きになってもらうのはいいが、相手がストーカーでは話にならない。
「まぁ、まだ波良に被害はないんやし、無視しといたらええんとちゃう?」
「……うん」
不快に思っている時点ですでに被害者だろ、と思いながら私は1時間目の授業に使う教科書を取りだした。
私は常に置き勉をしているので、大体の教科書が机の中にある。