呆れるほどの愛を、キミに

□もはやストーカー
4ページ/5ページ



「俺に言うてもなぁ……こういうのは本人の問題やから本人に言わんと」

「いや、昨日言ったんだよね」



財前の裏切り行為によって白石が1週間、図書委員の手伝いをしている。

その1週間の2日目のことだ。
そのとき彼はカメラを首からぶら下げていた。だが、カメラを持っていただけで犯人にするのはいけないことである。

でも、遠くからでもバッチリ撮れる専用レンズをつけたまま、首からぶら下げているので疑うしかないじゃん。

しかも3日目もそのカメラ首から下げていたんだよ。もう絶対犯人でしょ。



「何て言うたん?」


角度的に撮られそうだったので、小石川を障害物にするよう身体の位置を変えながら言った。


「『ストーカーみたいな行為、止めてください』って」

「そんなんであいつは止めへんわな」

「だよね」


思わずため息が出る。人に好きになってもらうのはいいが、相手がストーカーでは話にならない。


「まぁ、まだ波良に被害はないんやし、無視しといたらええんとちゃう?」

「……うん」


不快に思っている時点ですでに被害者だろ、と思いながら私は1時間目の授業に使う教科書を取りだした。

私は常に置き勉をしているので、大体の教科書が机の中にある。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ