日吉君の隣の席の彼女
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「お前ら、なに俺の嫁さんと喋っとんねん」
白石さんが後ろから服部に抱きついた。それも服部の腰に腕を回していて、身体もピッタリと密着している。
「ちょっと、やめてください!」
「藤子ちゃんいうんか。可愛ぇ名前や」
「離れろや、白石ィ!」
「そやそや!」
「モーホーコンビは黙っとり!……なぁ、このあと、えぇ事せぇへん?」
白石さんの手が徐々に下がっていく。服部の表情はもう我慢の限界だった。
「日吉」
「何ですか、滝先輩」
「俺と宍戸と向日とで賭けしてるんだけど、500円からだけど参加しない?」
「……上段回し蹴りに500円」
「わかった。ちなみに俺が背負い投げ、宍戸が右ストレート、向日がジャンピング・ニー・バッドだから」
さて、どの技が出るのだろうか。服部には悪いが、表情には出さずにワクワクしている俺がいた。
「藤子ちゃん……」
「白石さん……」
服部はスルッと白石さんからの腕から逃げ、見事な上段回し蹴りを決めた。
ありがとう、服部。今度何か奢ろう。
だが、この彼女の姿を見た四天宝寺の皆さんは当然驚いていた。
「あ、アカン……」
忍足さんがそう呟いた。何がいけないのだろうか……。
倒れた白石さんが立ち上がり、服部を見る。
「これや……これを探しとったんや……」
1歩1歩、服部に近づき言い放った言葉は、
「んー絶頂ー……藤子ちゃん、もっと蹴ってくれへん?」
ドン引きした。俺も、服部も、氷帝のメンバーも、四天宝寺のメンバーも、立海のメンバーも…………って、立海?