日吉君の隣の席の彼女

□#22
3ページ/5ページ


「お前には関係のない女だ」

「あかん……一目惚れや……」


白石さんはアホベを無視して、服部と宍戸先輩と芥川先輩に近寄った。


「ん?白石……」


宍戸先輩の声も聞こえていないようで、白石さんはそっと服部の手を握る。当然、いきなりのことだから彼女は困惑する。


「あ、あの……何か?」

「結婚してくれへん?」

「は?」


第二の鳳が現れた。白石さんは服部の手をギュッと握り、目を見つめていた。
そんな彼らを無視して、宍戸さんがやっと芥川先輩を剥がすことに成功した。


「これは運命なんや。運命には逆らえへん」

「とりあえず、手を放してくれませんか?」

「結婚してくれるなら放したるわ」

「ええ加減にせぇ!」


ベタなツッコミで白石さんの後頭部を殴ったのは、変態伊達眼鏡の従兄弟である忍足さんだった。


「何すんねん、謙也」

「ドアホ!彼女、困っとるやろ!」


言い争いをしている2人を見て、いろいろと困惑する服部。そんな彼女に声をかける人物が。


「あら、可愛いマネージャーさんやねぇ」

「小春、浮気か!死なすど!」

「あの……あなたたちは?」

「アタシは3年の金色小春ゆうねん。初めまして」

「同じく3年の一氏ユウジや。よろしゅう頼むで〜。それから小春は俺のもんや!」

「2年の服部藤子です。マネージャーではなく、手伝いとして参加しました。よろしくお願いします」


さりげなく訂正をしながら、互いに微笑ましく自己紹介を交わす3人。そして服部の後ろに忍び寄る影。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ