日吉君の隣の席の彼女
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「お前には関係のない女だ」
「あかん……一目惚れや……」
白石さんはアホベを無視して、服部と宍戸先輩と芥川先輩に近寄った。
「ん?白石……」
宍戸先輩の声も聞こえていないようで、白石さんはそっと服部の手を握る。当然、いきなりのことだから彼女は困惑する。
「あ、あの……何か?」
「結婚してくれへん?」
「は?」
第二の鳳が現れた。白石さんは服部の手をギュッと握り、目を見つめていた。
そんな彼らを無視して、宍戸さんがやっと芥川先輩を剥がすことに成功した。
「これは運命なんや。運命には逆らえへん」
「とりあえず、手を放してくれませんか?」
「結婚してくれるなら放したるわ」
「ええ加減にせぇ!」
ベタなツッコミで白石さんの後頭部を殴ったのは、変態伊達眼鏡の従兄弟である忍足さんだった。
「何すんねん、謙也」
「ドアホ!彼女、困っとるやろ!」
言い争いをしている2人を見て、いろいろと困惑する服部。そんな彼女に声をかける人物が。
「あら、可愛いマネージャーさんやねぇ」
「小春、浮気か!死なすど!」
「あの……あなたたちは?」
「アタシは3年の金色小春ゆうねん。初めまして」
「同じく3年の一氏ユウジや。よろしゅう頼むで〜。それから小春は俺のもんや!」
「2年の服部藤子です。マネージャーではなく、手伝いとして参加しました。よろしくお願いします」
さりげなく訂正をしながら、互いに微笑ましく自己紹介を交わす3人。そして服部の後ろに忍び寄る影。