日吉君の隣の席の彼女

□#22
4ページ/5ページ


「お前ら、なに俺の嫁さんと喋っとんねん」


白石さんが後ろから服部に抱きついた。それも服部の腰に腕を回していて、身体もピッタリと密着している。


「ちょっと、やめてください!」

「藤子ちゃんいうんか。可愛ぇ名前や」

「離れろや、白石ィ!」

「そやそや!」

「モーホーコンビは黙っとり!……なぁ、このあと、えぇ事せぇへん?」


白石さんの手が徐々に下がっていく。服部の表情はもう我慢の限界だった。


「日吉」

「何ですか、滝先輩」

「俺と宍戸と向日とで賭けしてるんだけど、500円からだけど参加しない?」

「……上段回し蹴りに500円」

「わかった。ちなみに俺が背負い投げ、宍戸が右ストレート、向日がジャンピング・ニー・バッドだから」


さて、どの技が出るのだろうか。服部には悪いが、表情には出さずにワクワクしている俺がいた。


「藤子ちゃん……」

「白石さん……」


服部はスルッと白石さんからの腕から逃げ、見事な上段回し蹴りを決めた。

ありがとう、服部。今度何か奢ろう。

だが、この彼女の姿を見た四天宝寺の皆さんは当然驚いていた。


「あ、アカン……」


忍足さんがそう呟いた。何がいけないのだろうか……。

倒れた白石さんが立ち上がり、服部を見る。


「これや……これを探しとったんや……」


1歩1歩、服部に近づき言い放った言葉は、





「んー絶頂ー……藤子ちゃん、もっと蹴ってくれへん?」





ドン引きした。俺も、服部も、氷帝のメンバーも、四天宝寺のメンバーも、立海のメンバーも…………って、立海?
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ