呆れるほどの愛を、キミに
□結ばれますか
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白石の腕が緩み、気を取り戻したところで回りを見れば、声だけで判断した謙也だけでなく、千歳、石田君、小春ちゃん、一氏、小石川、財前、そして金ちゃんがいた。
「おめでとう、2人とも」
「……小春ちゃん、いつから見てたの?」
「白石が、『黒子なんか……黒子なんか……』って言っとったときからやで」
最初からじゃん。
恥ずかしくて顔から火が出そう。
「先輩」
「なに、財前」
財前は小さい声でコソッと耳打ちしてきた。
「オサムちゃんを見た目で好きになったこと、部長には言わへんときます」
「わかった。ぜんざいを奢ろう」
約束ですよ、と言って財前は私から離れた。その代わりにやってきたのが、
「黒子!財前となに内緒の話してん!?」
「え、いや……」
その曖昧な態度は、白石を嫉妬させるものに十分だった。
「お前ら、黒子に手ぇ出したらシバくで!行くで、黒子!」
「うわっ、ちょっと!」
身体がふわりと宙に浮いたかと思えば、白石に身体を横向きに抱き上げられ、いわゆるお姫様だっこの形になった。
「行くで、黒子!」
「行くって、どこに?」
「俺の家や!しっかり捕まっとるんやで」
急に走りだした白石は止められない。
私たちは逃げ去るように、その場から去っていったのであった。
「で、このあとどうするの?」
いや、まさかとは思うけど大人の階段とか上るんじゃ……。
「とりあえず今後の話を交えながら、大人の階段でも上るつもりや!」
「ま、待って!心の準備が……!」
「俺は大丈夫や!」
「私の気持ちを考えてくれ〜!」