呆れるほどの愛を、キミに

□嫉妬の嵐
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『黒子が他の男子と喋るなんて、俺には耐えられへん!』


「……まぁ、価値観は人それぞれやからな」


我関せずの状態である小石川。まぁ、本当に関係無いから別にいいのだが。

授業が終わり、休み時間毎に白石は遊びにきた。さすがに次の授業が体育や移動教室のときは来なかったけど、それでも遠くからこちらを覗いてはいた。

そして昼休み。当然、白石はやってきたのだが……


「すまん、呼び出されとるから、先食べといてくれん?」

「ううん、待ってる」

「いつ戻ってこれるかわからへんけど……」

「私が待ちたいだけだから」


大体、何となくだが、何故呼び出されたかはわかっている。

彼はもう一度申し訳なさそうに謝ると、呼び出された場所へと向かってしまった。

私は教室で待つのもなんか嫌だったので、白石にメールを入れてから、どこか静かな場所を求めて彷徨うことにした。


「どこ行こう……」


どこに行っても騒がしい。歩きながら考え、最終的に辿りついた場所は図書室であった。飲食禁止であるが、今はそんな気分ではない。

中に入って空いている席を探そうとした時だ。


「あ、波良先輩」

「財前だ。当番なの?」

「ええ。で、いっつも一緒にいる部長は?」

「あー……モテる男は辛いよね」

「あぁ、なるほど」


これだけで通じるのは、白石がやはり凄いということなんだろう。ただ、恋人としてはなんか嫌だ。

とりあえず、私はカウンターの中にある椅子に座った。
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