呆れるほどの愛を、キミに

□嫉妬の嵐
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「邪魔なんスけど」

「うるさい」

「仕事の邪魔。それとも手伝ってくれるんスか?」

「邪魔じゃない。手伝わない」

「邪魔」


もう財前なんか無視だ。とりあえず今は静けさに呑み込まれたい。本当は金ちゃんに癒されたい。

机に突っ伏していると、財前の大きな溜息が聞こえた。


「そんなに部長が他の女子に告白されんのが嫌なら、部長に言えばいいやないっスか」


確かにそうなのである。白石のことは信じている。だが、どんなに信じていても心が苦しい。白石のように素直に言えたらいいと思う。でも……


「言えないんだよね。なんだかわかんないけど……」


どうして自分はこんなにも恋愛に関しては消極的なんだろうか。そんな自分が嫌になる。

財前の顔を見れば、呆れている表情をしていた。


「波良先輩の気持ちもわかります。でも、あんなにも自分の気持ちを表現するアホ(部長)なんスから、心配する必要ないっスわ」


財前はさらに言う。


「あのアホ(白石)が浮気しないこと、俺が保障します。だから、波良先輩も正直に自分の気持ち言うたほうがええと思いますよ」

「……うん、ありがとう」


ヴヴヴヴヴ……


マナーモードの携帯が震える。開けば白石から今どこ?とメールが来ていた。


「私、行くね」

「やっと邪魔者が消える」

「ありがと、財前。今度ぜんざい奢る」

「頑張れ、波良先輩」


心のモヤモヤが少し晴れた私は、お弁当を持って、そこまで速くないが駆け足で白石の元へと向かった。





「これでぜんざい2つやな」


私が去ったあとに、財前はそう呟いた。
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