そんな彼女と学園祭!
□8月20日(土)
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ミーティングが始まろうとしていた。アホベ先輩が口を開く
「ふん……レギュラーは全員集まったようだな」
「ちょい待ち。なんや知らんけど一人多くあらへんか?」
眼鏡がそう言うので、人数を確認してみた。レギュラー8人にプラス私なので全員で9人だが、どう見ても一人多い。
アホベ先輩、樺地君、眼鏡先輩、岳人先輩、宍戸先輩、鳳君、滝先輩、ジロー先輩、日吉君……うん、全員揃っている。
「ま、一人多かろうが特に問題はないだろう。合同学園祭のミーティングを始める。まずは、もう知っているかもしれないが、テニス部担当の運営委員の紹介だ」
「二年の服部藤子です。よろしくお願いします」
それから、アホベ先輩が色々と説明したり、皆が質問したり、寝ていたジロー先輩に樺地君が教えたり、アトラクションの優勝賞品がウィンブルドンのチケットということでジロー先輩が覚醒して、キノ……日吉君が先輩たちに下剋上しようとしていた。
「あとの細かいことはこれから配るプリントに書いてあるからよく読んどけ。以上だ……そうだ、藤子」
藤子……藤子……あ、私の事か。
うん、アホベ先輩だから無視無視。
「おい、藤子」
「日吉君はこれからどうするの?」
「屋内テニスコートがあるから、そこで自主トレだ。服部は帰るのか?」
「ううん、蓮二さんの所へ行く」
「藤子ちゃん、立海の所へ行くの?」
いつの間にか起きていたジロー先輩に声をかけられた。
「そうですよ」
「俺も一緒に行くC!丸井君に会うんだ〜」
ジロー先輩はブン太さんが好きらしい。素敵な友情で羨ましい。
「藤子ちゃん、俺のプレイ見てってぇな。そしてそのあと、俺とのプレイを……」
バキッ、ドカッ、ゴッ
「侑士も懲りねぇよな」
「激ダサだぜ」
「本当ですね」
「それにしても藤子ちゃん、やるねー」
岳人先輩、宍戸先輩、鳳君、滝先輩がそれぞれ眼鏡先輩を見ながら言った。
「ジロー先輩、行きましょう」
「うん、行こう行こう!」
いつの間にかジロー先輩に手を握られていたが、特に気にもせず一緒に立海が会議している部屋へ行くことにした。もちろん、お弁当は忘れないように……
「…………」
置いておいたお弁当がない。確かに青色の包みに入れて、持ってきたはずなのに。では、一体どこに……。
「探し物はこれか?」
振り返れば、岳人先輩が私の持ってきたお弁当を掲げている。